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2012/05/30

茂木健一郎が教えてくれたこと4


「Yes We Can!!」

さあ。
偏差値のない世界へ。


前回(茂木健一郎が教えてくれたこと3)の続き


こんにちは。
あおいです。


前回は、「偏差値」はほんとに公平か?

僕は公平だとは思わない。
ってところで終わってましたね。
今回はその続きです。


偏差値は公平か、不公平か。
実は、そんなに深く議論するつもりはないんです。


問題の本質はそこにはないからです。


みなさんを偏差値の世界から引きずり出す。
それが今回の目的ですから。


偏差値が公平か、不公平かは一旦置いといて。
なんで偏差値を基準にしている日本はヤバいのか。
それを説明していきたいと思います。



そこで、学力以外の部分が合否に大きく影響するとどうなるのか。
実例を挙げて紹介します。
ここで挙げる例は、アメリカNo.1の名門大学。
皆さんご存知、ハーバード大学です。




海老蔵がいけない東大と大歓迎のハーバード






すごい顔ですね。


市川海老蔵さんです。


歌舞伎役者です。


小林麻央さんの夫です。
うらやましいです。


ちなみに茂木さんの友達らしいです。




茂木さんの話によると、海老蔵さんは学生時代(小中くらいかな)に、教科書を一度も開いたことがないらしいです。
教科書を読まなくても全部分かっちゃう天才だったのか!?
というと、どうやら違うようです。
きっと、おばかさんだったのではないでしょうか?
こと勉強に関しては。
そう、「勉強」に関しては。


歌舞伎役者の生活は、かなりキツいです。
1ヶ月のうち、25日が舞台公演。残りの5日で次の舞台の稽古。
あらら?休みがないじゃないの?
そうです。ないんです。(もしかしたらあるかもしれません。でも多分相当少ないです)
しかも、超人気役者の海老蔵さん。
その忙しさは群を抜いているでしょう。
プロですから、「初日くらい、ちょっとミスっても大丈夫だよな?笑」
なーんて甘えも通用しません。


それでも残った5日のうちに、全て完璧にする必要があります。
海老蔵さんは、NHKのプロフェッショナルという番組で、台詞の覚え方を次のように話していました。
「直前までなにもやらない。あえて覚えようとしないんです。そうすると、当然のことながら追い込まれていきますよね?焦りもどんどん生まれていきます。やばいやばいやばいやばい。やらなきゃ、やらなきゃ、やらなきゃ。そういう感情が極限に達した時。リミッターが解除されるんです。そうなったらもう、スルスルスルーーって。台詞が入っていくんですよね」



壮絶です。すごいです。
アホなんかな?とも思います。
でもきっと、彼にはこの方法があっているのでしょう。
教科書を一度も開いたことないんですから、コツコツタイプじゃなさそうですしね。



ちょっと話が脱線しました。
海老蔵さんを偏差値の話につなげます。


茂木さんは面白いことを言い出しました。
「海老蔵は東大に入れるかな?」
ん?どうなんだ?意外と行けたりして。
「まあ無理だろうな」
茂木さんはあっさり言いました。



「でもハーバードなら入れるだろう。かなり高い確率で」
え?ハーバード!?
何言ってんだよこのおっさんは。
そう思いました。


なぜ海老蔵さんは、東大は無理で、ハーバードならいけるのか。
茂木さんがそう言った理由は、ハーバードの合否の判断基準にありました。



ハーバードと東大の違い



東大です。左右対称ですね。
なかなかかっこいいと思います。


東大に限らず、日本の大学は合否の判断基準について事細かに教えてくれます。
「センターは何割で。二次試験は何割」
「それを足してこのくらいが合格ラインです」
それに加えて、公平を期すための準備も万端で、なるべく一人一人が同じ条件で受けるように配慮してくれます。


親切ですね。
とても優しいです。




一方、ハーバードはと言うと。


「意欲を持った学生」
「好奇心に満ちた学生」求む。
的なことが、パンフレットに書いてあるだけ。
合格基準の説明などありません。


「うちで取りたいやつはうちが決める。どうやって決めてるかを説明する必要はない」
そういうスタンスなのです。


これでは対策しようがない。
まあある程度は出来るでしょうが。


しかも、試験には面接があります。
日本ではあり得ないですが、その面接官が先生じゃない場合もある。
むしろ茂木さんは先生のケースの方が少ないと言ってた気がする。


じゃあ誰がするの?
それは、アメリカ各地に居るハーバードの卒業生です。
しかもその方法も人それぞれで。
メールだったり電話だったり直接だったり。
メールはやばいだろ、と思いましたが。
ほんとうにあるらしいです。


不公平もいいところですよね。
それでもまかり通るのがアメリカです。


そうそう。
茂木さんがしてくれたMIT(マサチューセッツ工科大学)の話も面白かった。

(↑MITのメディアラボ。光っててかっちょいい)

MITの研究所には昔、優秀な研究者候補をたくさん取った時期がありました。
そのおかげで研究はすごく捗った。
けれど、それにともなってどんどんお金がなくなっていく。
ついには、研究所の経営が困難になるほどになってしまった。
そういう状況で、MITの研究所の所長に茂木さんは聞いたらしいです。
(茂木さんはこの人とも知り合いらしい。茂木さんすげえ)
「経営ヤバいらしいですね?どうするんですか?」
それに対して所長は
「うーん。次はドバイの資産家の息子でもとるかな。すごい額寄付してもらえそうじゃん?」
と答えました。
マジトーンで。



裏口入学だー!!
大学の闇を暴けーー!!
日本のPTAや学生団体が叫びます。



しかしこれで良いのです。
こうしてMITは成り立っているのです。


茂木さんは、ハーバードやMITを「プライベートなクラブ」だと思ってくれ、と言いました。
ほんとに上手いことを言う人です。



つまり。
MITの所長は研究所の経営に責任があります。
経営がヤバいなら、何か手を打たなければならないのです。
お金がないなら、お金を調達しなければならない。
そのために寄付をしてくれそうな大金持ちの子供を入れる。
(もちろんあまりにもピーマンなやつはだめでしょうが...)
これは当然の行為なのです。
なにしろプライベートなクラブなのですから。



下町のおっさんが作った将棋クラブと一緒です。
「やばいぞ耕作(←うちのおじいちゃんの名前)!! 将棋道場の家賃が来月から払えねぇ!!」
「べらんめぇ!! だったらあの角のでけぇ家に住んでる、社長をいれりゃいいじゃねえか。あいつにとっちゃここの家賃何て、ぽけっとまにーだろがい!!」
「おつむがいいな耕作やい!!」
なんの問題もありません。
将棋クラブのみんなが幸せに将棋を打てるだけです。



ハーバードだって同じです。


卒業生がジョブズみたいになってくれたら。
大学の名誉にもなるし、寄付もたくさんもらえる。
大統領がでれば、もう言うことなしです。



だからこそ必死なのです。
将来活躍出来るであろう学生を一人でも生みだすことに。
だからこそ、学力だけでは決めないのです。
その人物の将来性、全体とのバランス。
いったいこいつはなにをしてきたんだ、どういう人物なんだ?
それを判断するには画一的な試験では無理なのです。
最良に幅があり、ある程度の自由さがなければならないのです。



ハーバードにはいろんな学生が居ます。
真面目そうな学生ももちろん居るでしょう
それとは逆に変な髪型をした学生や、ちょっとおかしな学生も居ます。
とにかく多種多様な学生を、ハーバードは仕入れるのです(完全に語弊がありますね)。
なぜなら、社会に出れば必ずそういう人たちの中で生きていかなければならないからです。
自分とは違う価値観を持った人の中で、リーダーシップを発揮し、彼らを生かす。
そんな技術が必要だからです。



これは色々な違いを評価出来るということです。
一人一人の良さをちゃんと見てあげる。
そんな力をつけることが、社会においては重要なことをハーバードは知っているし、学生もここで学ぶのです。
だからこそ海老蔵さんは、ここではとても魅力的な学生としてみられる訳ですね。
例え、教科書を開かないおばかさんだとしても...。
歌舞伎という道では、超一流の才能を持っていますから。



こうしてみるとハーバードは、第一回(茂木健一郎が教えてくれたこと)で触れた、「偶有性に対応出来ない日本人」とは、逆の人間を創りだそうとしていることが分かりますね。



さあみなさん。
東大とハーバードどちらの大学に行きたいですか?
この流れだったら確実にハーバードでしょう。
ちょっと卑怯な質問をぶつけてしまいました。
ハーバードの方が、なんだかワクワクしますよね?
面白そうな人が集まる予感ビンビンて感じです。




さてといよいよ終盤。
最後に偏差値は意味ないぞ!! っていうことを示すために、これだけ持ち上げたハーバードのいやなとこをつきます。
ぼくは悪人です。


そういえば「悪人」の映画版、すごく面白いです!!
深津絵里と妻夫木君が主演。
最近の映画の中では上位への食い込み方が半端じゃないです。僕的に。

本もついでに


(宣伝はさておき)

さあいよいよ終わらせますよー


ノーベル賞をとるのは誰??


ノーベル賞受賞者数ランキングーー!!


ー天の声ー
ここで説明しよう。
突然始まった「ノーベル賞受賞者数ランキング」とは、歴代の受賞者の数を、出身大学別にランキング付けしていこうというものである。
あおいの、こういう行動には、ほんとに困ったものだ。
ちなみに2位の受賞者数が1位より多いのは、どこまでをその大学の関連に入れるかを、各大学が決めているからである。
とにかく、3・2・1の順ですごいと思ってくれれば良いです!!




それでは参ります!!


第三位!!

受賞者の数、なんと87人!!

ババン!!


シカゴ大学!!


ヒューヒューー
よく知りませーん!!
でも、すごいぞシカゴ!!



さあどんどん参ります。



栄光の第2位!!
受賞者数88人!!


ババン!!



ケンブリッジ大学!!
おうかっこいい!!
イギリスの大学ですな!!
2位おめでとうございます。



さあやってきました。
緊張の瞬間!!
はたして1位は、ハーバードかMITか!!


それでは第1位の発表です!!


受賞者数79人!!


その大学はーーーー!!

ババン!!


コロンビア大学!!!


はん!!???
あおい!!間違えてるぞ!!


いや合ってます...。
1位はコロンビアです。



え?
じゃあハーバードは?MITは?


MITは4位で77人。


おお!!MITもすごいじゃないか!!


ハーバードは......。


どうした?


ハーバードは、6位で47人です。


6位?47?
そうか....。
なんだかよく分からなくなっちゃったな...。
おっと、そろそろ天に帰らないと。
では。

(天の声退散)


6位かぁ。
意外だなぁ。


アメリカNo.1のはずなのになぁ。
ノーベル賞に学力は関係ないのかな?



さらに付け加えます。
茂木さんの講義で見せてもらった資料によれば。
ここ10年の、ノーベル賞受賞者のうち、MITとハーバード出身者は、20人のうち2人か3人程度しか居ない。
その他大勢の人が、なんとかクロス大学とか、なんたらオハイオ大学(茂木さんは「ここなんて超ド田舎だぜ、絶対!!笑」と言ってバカにしてました。あの人は案外色々なことをバカにするのが好きなようです)など、私たちが名前も知らないような大学の出身でした。



大して有名ではなく、おそらく超エリートばかり集まっている訳ではない大学から、ノーベル賞の受賞者がゴロゴロ出ている。
このことが示してくれること。
それは。
「偏差値」と「実社会での活躍」、その両者が無関係であることです。


ここまで、長々と言ってきたことは、すべてここに集約します。
「偏差値」が「現実の社会」の中では無意味なこと。



まだまだ日本の社会は、学歴社会です。
良い大学のブランド力は、就職活動などでも強力な武器となります。
その点においては、まだまだ偏差値を上げることには意味があると言えるでしょう。
しかし、ここでいう意味とは、その人が社会で活躍出来ることを約束するものではありません。
「おお!君は東大かー。すごいねー」、という評価ではなく。
リアルに「使えるやつ」なのか、この会社に貢献出来るやつなのか。
そこには、偏差値なんかが入ってくる余地はないと思うんです。
そこで重要なのは、偏差値なんかじゃなく、想定外の場面にも対応出来る力。
様々な人をまとめていけるコミュニケーション力。
それに、一度つまいづいてもすぐに立ち上がれる、根性と体力。
ほかにも様々あるでしょう。
最終的にはそういう場所にたどり着くのです。
僕たちは。



そこでいくら、「おれはテストの点数おまえらより良かったんだぞ!!」と言っても、なんだか切ない気持ちになるだけです。



最終的に、偏差値が通用しないところに行くのに、子供の頃から、偏差値をあげることに執着するのは無意味だと思いませんか?
むしろバカだとさえ思います。
それを誇るやつもバカだし。
それを恥ずかしがるやつもバカ。
勉強を強制させる親もバカ。
ばかばかばか。
ばかばか大国日本です!!



ふー。取り乱しました。




まとめます。



まとめ

(ここまで付き合ってくれた茂木さん)

さて、みなさん。
今どんな感じですか?


偏差値の世界から出られたでしょうか?
茂木さんほど説明が上手くないので、まだまだ出られない人がたくさん居るでしょうね。


それでも、少しくらいは「偏差値」というものに疑いを持ったのではないでしょうか?
「ちょっとはね」、と思ってくれる人が一人でもいれば、すごく嬉しいな。



最後に、偏差値の世界から片足でも出られた人に質問です。



この質問は、講義の最後に茂木さんが僕たちに投げかけた、重くて強い質問です。

ではいきます。





「明日、もし東大生に会ってもすごいとか思っちゃダメだぞ?」




うーん...。
僕は、思っちゃうな....。
「これを書いてるお前がなに心折れてんだ!!」って話ですけどね。




それだけ「偏差値の呪い」は強いのです。



みなさんももう一度考えてみて下さい。





「明日、もし東大生に会ってもすごいとか思っちゃダメだぞ?」





みなさんの心はどう反応しましたか?




おわり



【追記】

いやぁ。やっと終わりました。
まさか4回シリーズになるとは...。
正直しんどかった。
全然満足いく出来ではないけど。
とりあえずここで、茂木さんシリーズ終わりです。
今日も読んでくれてありがとうございました。



おまけとして、講義で茂木さんが「読むべき!!」と言っていた本を一冊紹介します。


『Outliers』
Outliers: The Story of Success
Outliers: The Story of Success
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Malcolm Gladwell
Little, Brown and Company
売り上げランキング: 19933

この本は、だれでもその道のエキスパートになれる「1万時間ルール」など、成功するためのヒントがたくさん詰まっているらしいです。



ちなみに勝間和代さん(この人も茂木さんの友達らしい。茂木さんすげえ)訳で、日本版の書籍もあります。↓


僕も買っちゃおうかな...。



ほんとにおわりまーす。







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