「公平な偏差値の世界」
前回(茂木健一郎が教えてくれたこと2)の続き。
こんにちは。
あおいです。
前回は、茂木さんが、
「偏差値を捨てろ!!」
と言って、ぼくが、
「がびーん!!??」
ってなって終わったと思います。
今回はその続き。
なぜ茂木さんは、「偏差値を捨てろ」と言ったのか?
その問いのこたえを聞いた時、僕の中で、「日本けっこうやばいかもな」という
思いが芽生えました。
みなさんにもこの気持ちを、共感してもらえると嬉しいなぁ。
茂木さんはまず、日本の入試について話しだしました。
今の東大に才能あるやつなんて、ほとんど居ないぞ!!
いきなり刺激的な見出しを付けてしまいました。
これは、講義の中で茂木さんが言った言葉です。
ぼくはこれを聞いた時、「東大生も大したことないんだな」と、変な安心感みたいなものを感じました。ぺらっぺらの優越感です。
けど、ちょっと考えて、「ん?いやいやいや!!茂木さん、ちょい待ち!!東大入るのってすんごい大変なんだぞ!!」と、思いました。
大学受験をする人のほとんどが受けるセンター試験。
東大の合格目安は、90~95%ほどでしょうか...(ドラゴン桜では80%でも行けると言っていましたが)。
このすごさは、受けた人なら分かりますよね?
国立大学ですから、おそらく6教科7科目。
それを9割以上。
すごくないですか?
小学生のときなら、勉強しなくても100点とれましたけど...。
それをセンター試験でやるなんて。
しかも、そんな人たちが、2次試験で落ちていくんですから。
あわあわあわ.......。
「東大に行く人は、頭のできが違うのよー」
なんて言葉、よくおばさま方は言いますが...(世のおばさま方すいません)。
頭のでき?
そんなふわふわしたもので片付けないで欲しい。
そりゃあ、いわゆるおバカさんはいないでしょうが...。
頭の質もそれなり、いや、かなり、すごく高いでしょうが...。
それだけじゃない。
彼らは、きっと、とてつもなく努力したはずです!!
ぼくたちが、「今日はやったなぁ」と満足するところで、満足せず。
彼らは机に向かったはずです。
センター9割がそれを物語っています。
だからぼくは、東大生を尊敬します。
あんたらすげえよ。
東大に行ってるだけで、「よく頑張ったで賞」あげちゃう。
そんな東大を。僕の尊敬する東京大学を、茂木さんは真っ向から否定します。
僕としては、「この人何言ってんだ?あかん。あかんぞ健一郎!!」状態です。
けどこれを書いている時点の僕は、「いいぞ。確かにそうだな健一郎!!」状態です。
みなさんにも、これから「いいぞ。確かにそうだな健一郎」状態になってもらいます。
↑(カメラ目線の健一郎)
とっても親切な日本の入試
茂木さんはなぜ、東大を否定したのでしょうか。
結論から言うと。
その理由は、東大生の偏差値が高いことです。
いや、この表現は正確ではありません。
「偏差値の高い人間だけが東大に入れること」
これが、東大を否定する理由です。
偏差値が高いからだめ?
それじゃあ、頭良いからダメって言ってるようなもんじゃないか!!
このままじゃ、「あかんぞ、健一郎」状態から抜け出せそうにないぞ!!
と、思った方。
あなたは、偏差値の世界に居ます。僕も前まで居た世界です。
きっとこの記事を最後まで読めば、その世界から片足くらいは出られるはずです。
みんなで新しい世界へ行きましょう。
(あえて宗教っぽい言葉で書きました。しかし、「偏差値」という世界から抜け出すことは、自分の信じる宗教を変えるくらい大変で、劇的なことなのです!!)
偏差値という単一の評価基準
ここで、日本の入試というものについて、かんたーんに書きます。
日本の入試を一言で言えば、
「テストの点数ランキング」
きっとこの表現で間違っていないでしょう。
テストの点数が高い順に取っていく。
これが日本の入試です。
テストが出来た人は受かり、テストが出来なかった人は落ちる。
簡単な制度です。実にシンプルな設計です。
つまり日本の入試制度は、テストの点数、換言すると、「偏差値という単一の評価基準」でしか、学生を測っていないということです。
その結果、入学試験は、学生の偏差値を測りやすいようにパターン化していき、偏差値を上げるための努力をし、対策を練った学生がしっかりと点を取れる。そんな試験になっていきます。
そのため、学生を取り巻く環境が「偏差値」を中心に回りだすのです。
大手の予備校(茂木さんは悪の組織と呼んでいました)は、各大学の偏差値を弾き出し、各大学の過去問から、予想問題を作り、それを学生は必死になって解く。
模試の結果に一喜一憂し、「合格判定Dだった...。この学校受けるのやめようかな」などと言って、予備校の出した基準に従い志望校を変える学生。
今や、面接の予想問題まで出ていますからね。
これらの予備校が存続しているのは、大学や高校が、「偏差値」という基準を中心にしてくれているからでしょう。
一つの基準だけで判断してくれるから、対策が立てやすい。
対策が立てやすいから、教材が売れる。
だから予備校に学生が集まるのです。
これに、別の判断基準が加わったら、予備校はどんどんつぶれていくでしょうね。
例えば、「身長の高さ」が、テストの点数と1対1の割合で加味されるとしたらどうでしょう?
そうなったら、栄養士さんたちが大人気ですかね。
『3ヶ月で身長10cmアップ』なんて本がバカ売れしたり。
栄養士が講演を開けば、お母さん型大集結。
子供は、暗くなったらすぐに寝かされ、明るくなってもまだ寝かされる。
お母さんも、「学校に遅刻しても良いから寝てなさい!!」とか言っちゃったりして。
「もう眠くないよ。ママー」
「セノビール」なんて薬を小林製薬が出して大ヒット。
とにかく、予備校に行く人は減るでしょうね。
バスケとバレーボールが強くなるでしょうね。
そんなの公平じゃない!!
身長なんて生まれつきのものだ!!
不公平!!不公平!!(猫ひろしと岡村隆がデモを率います)
そうです。
こんなのは不公平です。
頑張ったからって、伸びる訳ではないんですから、身長は。
やっぱり偏差値こそが公平だ!!
そうだそうだ!!
ほんとうにそうですか?
まずはその公平を疑ってみましょう。
偏差値は、頑張れば上がる。
これは正しいです。
頑張れば、頑張らなかったときと比べ必ずと言っていいほど上がる。
勉強すれば勉強するだけ上がる。
ありがたいことです。
努力が必ず報われるのですから。
けれど、その進歩がすごく遅い人も居るのです。
遅いというか、無に等しい人も中には居ます。
僕が塾講師をしていた時に、何人もそういう生徒を見てきました。
彼らは人一倍頑張ります。
そうしなければ取り残されてしまうから。
出来る子が、一回で、しかもこっちが何も教えなくても出来る問題を、彼らは一日がかりで解きます。
それでも次の日には、解き方を忘れてしまうのです。
彼らが塾に来る理由は様々です。
親が行けって言ったから。
友達が居るから。
なんとなく。(←こういう子はあまりいなかったかも)
けれど、一度塾に入ってしまえばなかなか抜け出せません。
小学生や中学生が、学校が終わってすぐに塾に来て勉強します。
遊びたい盛りだろうに、我慢して、親や先生の期待に応えるために。
なんで受験するのか。その理由も分からずやっている子も大勢います。
けれど、思ったように点数が伸びない。
こんなに頑張っているのに。
我慢してやっているのに。
そんな時、子供はすごく悲しい顔をするもんです。
ぼくら講師も悲しくなります。
そういう子は大抵、塾を辞めるか。
親や、塾の体裁のために、入学料や授業料だけ馬鹿高い、アホな私立に行くのです。
悲惨です。とても悲惨です。
同じ時間を勉強に費やした友達が、いわゆる名門に行き、自分はよくわからない学校に行く。
遊びも我慢して、勉強したのに。
もっとやりたいことがあったのに。
これが公平ですか?
もしかしたら、この子は違う分野ではとても成長できたかもしれない。
もっともっと輝けたかもしれない。
けれど、今の日本では、そういう生き方は難しいです。
勉強以外の才能や努力を、学校側はなかなか、評価してくれないからです。
偏差値というものでしか人を測れないということは、
それ以外の能力を評価出来ないということです。
これが公平ですか?
身長は不公平で、偏差値は公平ですか?
僕は違うと思う。
つづく
(うわー続いちゃったー。こんなに長いと誰も読んでくれないよ...。でもここまで来たからには、最後まで書きます!!)
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