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2012/06/16

長友佑都の『上昇思考』から学ぼう!!その2「サネッティが教えてくれたこと」



東日本大震災が、長友にもたらしたものとは...。

カッコよすぎるぜ!!
サネッティのダンナ!!










前回のつづき。



インテルでぶつかった壁を乗り越えられない長友。

そんな時に起こった、東日本大震災。
この悲劇が彼に与えたものとは。



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この記事はこの本を参考に書いています。

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なにかを掴んだキエーボ戦


2011年4月9日。

東日本大震災から、
1ヶ月近くが経とうとしていたこの日、
長友はスタジアムに向かうバスの中にいた。


長友によると、バスに乗っている時間というのは、
選手にとって重要なものらしい。


この本にも書いてあるが、
最近の長友は、バスに乗っている間、
クラシックやバラードなどを聞いて、
心を落ち着かせるよう心がけているらしい。



しかし、当時の長友にはそんな余裕はなかった。

バスの中で考えることと言えば、
「試合ではどういうプレイをすればいいか」
「ミスをしないためにどうしよう」
というようなものばかり。
それが緊張を引き起こし、ガチガチになってしまっていた。


しかし4月9日のこの日、長友の頭には少し違うことが浮かんでいた。



その日、スタジアムに向かう長友の心を満たしていたのは、
被災地への想いだった。


「被災した子供たちのために自分が出来ることはないか」
「インテルには、本格的なボランティア活動をしている選手もいる。すぐに彼らと同じことはできないにしても、自分のできる範囲でなにかをやるようにして見習いたい」

そんなことが頭に浮かぶ。
これは無意識のことだったが、そんな風に考えている自分に気付いて、
長友は思った。

「今日は心のあり方が違う」

誰かのことを思うことが、
長友に、今までになかった「心の余裕」をもたらしていた。


この変化はピッチの上で発揮される。



それまでとは別人のように視野が広がっている自分に、
長友は驚いた。

「あれ、こんなに味方のフォワードや逆サイドにいる選手の動きを見ることができたっけ?」
「相手の動きもこんなによく見えたことは、これまでにもなかった」

自分がボールを持っている時に相手チームの選手にプレッシャーをかけられても、まったく慌てず自分のプレーができた。

味方の動きがよく見えたし、次の動きも予想出来たから、決定的なパスを出すこともできた。
この前までちぐはぐなプレーばかりしていた選手とは思えない活躍だった。

この日長友は、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれる。
この評価とともに自分の中にたしかな手応えを感じていた。

「心の余裕があるかないかでこれだけ違う」
「常に心に余裕があるようにしなければ、ここから上には進んでいけない」


長友はこの試合で、「自分が目指すべきもの」を見つけたと語る。
インテルに移籍してからもがき続けた闇の中に、
小さな光を見つけたのだ。

その光と自分の間には果てしない距離があることも直感したが、
ゆっくりでもいいから一歩一歩、地道に進んでいこうと決めた。




生きた教科書、サネッティ

超名門クラブであるインテル。

そこに所属する選手もまた超一流である。

好不調の波を乗り越え、
サポーターやメディアからのバッシングをはねのけて、
シーズンを通して活躍することを求められる彼らには、
人並みはずれた「ぶれない心」が求められる。


そんな選手たちが集まるインテルの中でも、
キャプテンであるサネッティはずば抜けた存在だ。


サネッティは長友が9歳だった1995年からずっとインテルに在籍し、
アルゼンチン代表の出場試合数でも歴代1位を記録する偉大な選手だ。

今年39歳になるサネッティだが、そのプレーは衰えを知らず、
ピッチの上で誰よりも冷静で、エネルギッシュな選手だと長友は言う。




誰からも愛されるサネッティ

2011-2012年のシーズンはインテルにとって最悪のスタートを切った。

開幕から6戦で、1勝4敗1分け。
セリエBの降格圏(18-20位)も目前に迫っていた。


当然のことながら、サポーターやメディアは彼らを容赦なく叩いた。
世界中の人に称賛されることもあれば、
世界中の人に憎まれることもある。
インテルという超名門クラブでプレーするとはそういうことである。



沈むインテル。
チームの雰囲気も暗く重いものなっていた。


そんな試合前のロッカールームにサネッティの歌声が響きわたる。
大声でサンバかアルゼンチンタンゴのようなものを歌っているのだ。

(これがアルゼンチンタンゴ。歌う要素が果たしてあるのか...)

長友は驚いた。
チーム全体に重い空気が立ちこめる中、
サネッティだけがいつもどおり、明るく振る舞っていることに。


サネッティのすごさは別のシーンでも表れる。
例えば試合が終わり選手がピッチから去るとき、
サネッティだけが必ずサポーターに手を挙げて挨拶をしに行く。
負けたときももちろんそうするし、連敗でサポーターがピリピリしている時でもそれを欠かすことはなかった。


彼はサポーターやチームメイトに、常に何かメッセージを発信している。
いつも通り振る舞うこと。
いつも通りのプレーをすること。
簡単そうに見えて最も難しいことを、サネッティはさらりとやってのける。


そんな彼をサポーターは愛しているし、
超一流のチームメイトも彼から多くのことを学んでいるのだ。



インテルに移籍してすぐに、
サネッティは長友にとって目指すべき存在となった。


サネッティがキレた!?

最近長友を驚かせることが起きた。

試合後、サネッティがスタンドに向かって激しい口調で叫んでいたのだ。


マスコミに酷評されても動揺しないサネッティがなぜ怒っていたのか。
長友は気になって本人に聞いてみることにした。

その理由がマジかっこいいのだが、
彼が怒っていたのは自分のことじゃなかったのだと言う。


試合後、サネッティは他のチームメイトを侮辱する発言を耳にした。
それでプッツンきてしまったらしい。


どんな選手だってサポーターからはよく思われたいし、
チームの一員とも言える彼らに立ち向かうのはとても勇気がいることだ。


しかしその時のサネッティはそんなこと気にしなかった。

「そういうことを言うのはよくない!!」と、
そのサポーターに大声で訴えたのだ。

サポーターの多くがサネッティのことを人格者だと認めていたから、
彼の言葉にうなずき賛同していたという。

それを聞いた長友は
「サネッティはやっぱりすごい」
と思った。
今までも十分尊敬していたが、
彼のような選手になりたいという想いをより一層強めたという。

(ここだけの話、長友はサネッティに惚れていると思う)




まさに選手の鏡ともいえるサネッティに長友は聞いた。
「どうして、ほとんどフル出場していながら、ケガもしなければ疲れも見せず、それほど安定したパフォーマンズができているのか?」

サネッティは答えた。

「すべては頭だ」
ここでいう頭とは心と同じ意味だと思う。
「試合に勝っても負けても、いいプレイができてもできなくても動じることがないように頭(心)を常に安定させておくことが大切なんだ」

そんなサネッティの言葉は、
長友が感じつつあった「心の大切さ」を証明するものとして、
彼の心に強く響いた...。



つづく

【次回の予定】
全てのことへの感謝
試合前に読むおばあちゃんからの手紙


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ここで紹介しているのはこの本のほんの一部です。

長友選手がそのサッカー人生で学んだことを知りたいと思った方は、是非読んでみて下さい!!
社会人の方はもちろん、スポーツの指導者にもオススメですし、
お子さんへのプレゼントにもぴったりだと思います。
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【長友選手の他の著書】







今日も読んでくれてありがとうございます。
サネッティちょっとかっこよすぎですよね。こんな男になりたいな。




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